糖尿病、腎臓病、心臓病、高血圧などの持病がある人は熱中症にかかりやすいと言われています。
また、服用している薬によっては、熱中症のリスクが高まります。
ここでは、熱中症になり病気や薬について紹介します。
熱中症になりやすい病気
糖尿病
糖尿病の人には、トイレの回数が多くなる、のどが渇くという症状がみられます。
糖尿病になると細胞に糖が取り込まれなくなり、血液中に糖があふれてしまいます。
そうなると、血中の糖を一定に保つため、不要な糖は尿として排出されます。
そのため、糖尿病の人は、トイレの回数が多くなるのです。
また、棟を尿として排出するためには、水分を必要とするため、体内の水分が減り、のども渇くのです。
このように、糖尿病の人は、常に脱水症になりやすい状態です。
その他にも、糖尿病の合併症として自立神経障害を起こす場合があります。
異常に汗をかいたり、暑くても汗をかかなかったり、体温調節がうまくできないことがあります。
このように、糖尿病の人は、熱中症になるリスクが高くなります。
熱中症対策では、水分補給、特にスポーツドリンクが良いとされていますが、糖尿病の人は要注意です。
スポーツドリンクは、100gに5~10gの糖質を含んでいます。
そのため、高血糖になるおそれがあります。
水分補給の方法については、主治医に相談してください。
高血圧
高血圧の人は、血圧を下げるために塩分を控えるように医師から指導を受けています。
そのため、体内の塩分濃度が低く、大量の汗をかくと、塩分不足になってしまいます。
また、高血圧の人は塩分を気にして、スポーツドリンクや経口補水液ではなく、水やお茶で水分を補給する人が多くいます。
しかし、塩分が含まれていない水やお茶は、体内への吸収が遅くなり、熱中症の危険性が高まります。
腎臓病
腎臓病には、高血圧、貧血、多尿などの症状があります。
腎臓病でも塩分が制限されるため、上記のように熱中症のリスクが高まります。
また、貧血によって、体温調節機能がうまくできない、多尿により体水分量が不足など、熱中症になりやすい状態になります。
心臓病
心臓が悪くなると、血液の循環がうまくいかなくなります。
そのため、熱くなった血液を皮膚まで運ぶことができず、体温が上昇します。
また、心臓の負担を減らすために利尿剤を服用していることが多く、常に脱水状態になっています。
十分な汗をかくことができず、熱中症になるリスクが高まります。
精神疾患
精神疾病の中でも、無関心などの症状がある人は特に注意が必要です。
暑くてもエアコンや扇風機を使用できない、自分の状態に興味がなく健康管理ができないなど、熱中症の予防ができないことがあります。
熱中症になりやすい薬
抗コリン作用のある薬
抗コリン作用と言われてもピンとこない人も多いと思いますが、副交感神経を抑制する働きです。
抗コリン作用により、口が渇く、尿が出にくい、汗がでにくいなどの症状がでて、体温調節がしにくくなり、熱中症になる危険性が増します。
抗コリン作用のある薬の代表的なものは、総合感冒薬、咳止め、胃腸薬、酔い止めなどの身近なものから、パーキンソン病治療薬、頻尿の薬、気管支吸入薬、多汗症治療薬、てんかん薬、抗うつ剤など専門治療に使われるものまでたくさんあります。
自律神経の薬
自律神経の働きが悪くなると、体温調整機能が低下します。
体の中にこもった熱を発散できなくなり、体温が上がって熱中症になる可能性があります。
代用的なものは、鎮痛剤、睡眠導入剤、抗精神病薬などがあります。
β遮断薬、降圧剤、利尿剤
これらの薬は、水分や塩分を体の外に排出する働きがあり、脱水症状になりやすいという特徴があります。
常に体水分量が少ない状態で、熱中症になりやすいので注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
病気や薬によっては、熱中症予防で一番大切な体温調節機能がうまく働かなくなります。
しかし、一般の人と同様の熱中症対策ができない場合もあり、熱中症のリスクが高まります。
自分の病気や飲んでいる薬は熱中症のリスクが高いのか、対策はどうすればよいのか、必ず、かかりつけの医師に確認し、自分に合った熱中症対策するようにしましょう。