高齢者はなぜ熱中症になりやすいのか?

老人の手 熱中症

年々増加する熱中症患者。中でも、高齢者の占める割合が多くなっています。

昨年2018年、熱中症で救急搬送された人のうち、48.1%が高齢者(満65歳以上)でした。
また、2017年に熱中症で亡くなった人の78.1%が高齢者という結果も報告されています。

なぜ、高齢者は、熱中症になりやすいのでしょうか?

そこには、加齢による心身の変化が大きく関係しています。

ここでは、高齢者が熱中症になりやすい理由や予防対策などを見ていきましょう。

 

熱中症とは

熱中症熱中症は、温度や湿度が高い環境で、体温調節ができなくなり、体に不調をきたすことです。

その症状は、めまいや立ちくらみのような軽度なものから意識障害のような重度なものもあり、最悪死に至ることもあります。

≫熱中症はなぜ起こる!その原因と症状

 
炎天下での運動や作業時に、熱中症にかかりやすいイメージがありますが、実は室内での発生が約4割を占めています。
中でも、高齢者は室内で発症するケースが多くあります。

≫室内熱中症は意外と多い!その原因と予防法とは!


高齢者が熱中症になりやすい理由

人間誰しも、加齢によりあらゆる面で衰えていきます。
そのため、高齢者はちょっとしたことで熱中症になる可能性が高くなっています。

 

体内の水分不足

脱水症状65歳以上の高齢者の体内水分量は約50%、成人男性は60%ですので、10%も減少しています。
元々の水分量が少ないため、常に脱水症状を起こしやすい状態です。

ところが、高齢者は、水分をあまり摂らない傾向があります。

その理由として、

  • のどの渇きを感じにくい
  • トイレの回数を減らすため、意識して水分を摂らない
  • 食事の量が減り、食事からとる水分も少なくなく

 
などが挙げられます。

体の水分量が少ないと、外気の影響を受けやすく、熱中症のリスクも高まります。


体温調節機能が低下

体温計高齢になると、体温調節機能も低下してきます。

体温調節の方法には、汗をかいて体の熱を逃がす方法と、血管を広げて熱を逃がす方法があります。

しかし、高齢者はそもそもの体水分量が少なく、汗をあまりかきません。
また、加齢により、血液の量が減り、血流も悪くなるため、体温調節機能がうまく働かなくなります。

結果、体内に熱をためこみやすくなります。


感覚が鈍くなる

感覚が鈍い高齢者は、知覚が鈍くなり、暑さを感じにくくなります。
そのため、衣類や冷房での体温調整ができていない場合が多くなります。

また、前述したように、のどの渇きも感じにくくなるため、十分な水分補給ができないこともあります。


病気や薬の影響

薬高齢になると病気にかかるリスクも高くなります。

高血圧や糖尿病、腎臓や心臓の病気を抱えている人も多いのではないでしょうか?

これらの病気では、利尿作用がある薬や血流を抑える薬もあります。
その病気にとっては必要な薬ですが、熱中症になりやすくなるという欠点があります。

 
最近は、認知症の人も増えていますね。
施設に入るほどではないけれど、認知症を発症しているという人も多くいます。

認知症の人は、適正なエアコンの操作や、気温に合わせた服装など、判断能力がなくなる場合もあります。


歳と共に頑固になる

頑固おやじ「昔はエアコンなしで生活していた」「電気代がもったいない」などと生活スタイルを変えない高齢者も多いのではないでしょうか?

しかし、若いころに比べたら体力も衰えています。
生活環境も変わっている上に、確実に日本の夏は以前に比べると暑くなっています。

無理をしていると、熱中症になる可能性も高くなります。


高齢者の熱中症予防対策

熱中症の予防は、水分・塩分補給、涼しい環境を整える、体を冷やすなど、基本的な部分は、どの世代にも共通しています。

≫熱中症を防ぐ3つのポイントとは

しかし、高齢者の場合は、特に注意するべき点があります。

 

水分の摂り過ぎに注意

水分補給こまめな水分補給は必要ですが、水を飲み過ぎると、体がむくむ、冷えるなどの不調をきたし、かえって熱中症のリスクが高まることがあります。

また、心臓、腎臓病の人は、水を飲み過ぎると、病気が悪化することもあります。

 
高齢者の1日の水分摂取量の目安は1500mlです。
毎日、500mlのペットボトルを3本用意して、1日で飲み切るようにしましょう。

 
食事でしっかりと水分を摂ることも大切です。
味噌汁は、水分・塩分に加え、具材に含まれるミネラルやビタミンも一緒に摂れるのでおすすめです。

 
ただし、持病がある人は、医者と相談して適量を確認してください。


温度、湿度は目に見える対策を

温度と湿度高齢になると知覚が鈍くなるので、体感に頼るのは危険です。

室内では、温度計や湿度計などの計器でしっかり確認してください。

各部屋の目につきやすい場所に設置し、必要に応じて、エアコンや扇風機などを使用しましょう。


エアコンの風が当たらない工夫を

エアコン風が直接当たるが嫌でエアコンを使いたくない、という高齢者も多いですね。

エアコンの風向きを上に向けて、扇風機で循環させるなど、風が当たらない工夫をしましょう。

ドライ機能で湿度を下げるだけで、快適に過ごせることもあります。


我慢しない

我慢する人エアコンはもったいない、これくらいなら大丈夫と我慢することは辞めましょう。

自分が思っている以上に室温は上がっています。

無理せず、エアコンや扇風機を上手に使ってください。


暑い日は外出を控える

熱中症熱中症の危険が伴う猛暑日には、必要以外の外出は避けて下さい。

どうしても出かける時には、暑い時間帯を避け、帽子や日傘などの日よけ、ネッククーラーなどの冷却グッズで対策しましょう。


まとめ

特に、一人暮らしや高齢者のみの世帯では、発見が遅れ、重症化するケースがあります。

本人の熱中症対策はもちろんですが、家族の協力も不可欠です。

離れて暮らしていても、暑い日には、電話で声掛けをしたり、ご近所さんに様子を見てもらうなど、注意してあげてください。

少しでも、高齢者の熱中症が減ることを願っています。

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