ここ数年、熱中症と言う言葉が頻繁に使われるようになり、熱中症で救急搬送される人も増えています。
私は、昭和世代ですが、子供の頃には熱中症なんて言葉はありませんでした。
たまに聞かれたのが日射病と言う言葉。
日射病になるから帽子を被りなさい、と言われたくらいで、実際周りに日射病になった人を見たことはありません。
いったいいつ頃から熱中症と言う言葉が使われ始めたのでしょうか?
熱中症は総称
調べてみると意外と古い時代からすでに熱中症と言う言葉は存在していたようです。
明治時代に、暑さにあたる(熱に中る)ということで熱中症という言葉ができました。
しかし、実際に熱中症という言葉が、一般に使われるようになったのは1995年頃からになります。
現在では、「熱疲労・熱けいれん・熱失神・熱射病」これらを総称して熱中症と呼ばれています。
この中には、私が子供の頃言われていた日射病も含まれます。
詳しくは「熱中症はなぜ起こる!その原因と症状」のなかで説明しています。
熱中症が増えた原因
熱中症が増えた原因は、大きく分けると次の3つがあります。
- 気温の上昇
- 生活環境の変化
- 生活習慣の悪化
では、それぞれ詳しく見てみましょう
気温の上昇
地球温暖化の影響で、日本の気温も以前に比べて高くなり亜熱帯化しています。
毎年、最高気温が更新され、真夏日の日数も増えています。
温暖化だけでなく、山林開発で緑が減少したり、ヒートアイランド現象などの影響で、日中の気温が上昇はもちろん、熱帯夜も増えています。
生活環境の変化
昭和の時代は、木造の家が多く、エアコンがなくても風が通って結構涼しく過ごせました。
ところが、今は、鉄筋コンクリートの家が増え、エアコンなしではきつい状況。
実際、エアコン普及率も90%以上で、ほとんどの家庭にエアコンが付いています。
気密性の高いコンクリートの住宅は、昼間の室温が上がりやすく、夜は下がりにくいため、室内での熱中症のリスクが増加しています。
エアコンは、そんな室内での熱中症予防に効果がある反面、熱中症にかかりやすい子供をつくるという欠点もあります。
というのも、人間の汗腺の数が3歳までに決まってしまうからです。
この時期、快適な温度で過ごすと、汗腺が少ないまま成長するため、汗をかきにくくなります。
また、大人でもクーラーの効きすぎているところで過ごしていると、気温差で自律神経が乱れたり、発汗機能も低下してきます。
汗は体温調節に欠かせないもの、汗をかきにくい=熱中症にかかりやすいと言えます。
生活習慣の悪化
現代人は、ストレスを抱えている人が多いですね。
ストレスにより、食生活が乱れたり、睡眠不足になる人も少なくありません。
また、過剰に飲酒する人もいます。
このように、生活習慣が乱れると、体調を崩したり、体力が無くなったり、暑い時期には熱中症のリスクが高まります。
ますます増える熱中症
気温の上昇と共に、熱中症はますます増えると予想されます。
最近では屋内で発生するケースも増えています。
なぜかと言うと、熱中症は、気温だけでなく湿度も大きく関係しているからです。
熱中症予防の基準となる「暑さ指数(WBGT)」は、温度・湿度・輻射熱から計算されます。
環境省ではこれを基に、熱中症予防情報を提供しています。
また、日本生気象学会では「日常生活に関する指針」、日本体育協会では「運動に関する指針」、厚生労働省では「作業差に関する指針」などが公表されています。
熱中症予防に、これらの指針を参考にしてください。
詳しくは、こちらの記事をどうぞ!
≫熱中症予防に!押さえておきたい「暑さ指数(WBGT)」とは?
まとめ
これからますます熱中症のリスクが高まると思われます。
気温の上昇や住宅環境は、私たちではどうすることもできませが、生活習慣は、ある程度自分でコントロールすることができます。
また、エアコンに関しては、冷やしすぎず熱中症にかからない程度の温度に設定したり、赤ちゃんのいる家庭では、エアコンを付けたり消したり調整することができると思います。
この記事が、少しでも熱中症予防の参考になれば幸いです。