熱中症の予防には、水分を摂ったり体温を下げる工夫をしたりします。これは確かに有効ですが、もっと根本的に熱中症になりにくい体を作る事が大切です。
血液量が増えると体温調節機能が向上
人は体の中で常に熱を作っています。体温が上がると汗をかいて蒸発させ体温を下げようとします。
この熱を下げる働きはすべて血液中で起こっています。
血液は、体内の熱を中心から表面に運び、皮膚から発散させる働きがあります。
また、血中の水分で汗を作り出して体外で蒸発させています。
もし、血液量が少ないと、この機能が正常に働かなくなり、熱が体にこもって熱中症になってしまいます。
血液量を増やして体温調節機能が向上すれば、根本的な熱中症予防に効果があると考えられます。
血液量を増やす方法
血液を増やすために効果的な方法は、週に60分ややきつめの運動をして、その直後に牛乳を飲むことです。
これは、大学教授の実験で証明されています。
若い人も高齢者も年齢に関係なく同じ結果が出ています。
ややきつめの運動とは
5分くらい続けると息がはずむが軽い会話はできる、10~15分で汗ばむ程度の運動になります。
数値としては最大体力の70%が目安です。
これはジムに行けば簡単に測ってもらう事ができますが、安静時の心拍数を測れば自分でも大体の数値は分かります。
そんなに運動するのはしんどそう、続ける自信がないと思っている方もいますが、週に60分という事は1日10分以内です。
通勤で朝夕の駅まで5分間、歩きをややきつめの早足で歩き、週末に早足で散歩するだけでもクリアできます。
もし平日は無理なら、週末に泳いだりテニスしたり、トレッキングなどでもOKです。
ここで大切なことは、最大体力の70%を越えなければ意味がないという事と1日30分以上続けても効果が少ないという事です。
ややきつめの早足で歩く事を心がければ、長時間持続しなくてもいいので案外楽ではないでしょうか。
牛乳の効果
ややきつい運動後30分~1時間の間に肝臓では、アルブミンを合成する能力が上がります。
この間に原料のたんぱく質やアミノ酸が運ばれてくると、肝臓はどんどんアルブミンを合成します。
牛乳には、1日に食事から摂取する必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
その中でもBCAAと呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシンが豊富に含まれています。
このBCAAは、筋肉になる材料になったり、筋肉のエネルギー源になります。
筋トレやランニングなどの運動をすると、最初に糖質をエネルギーに変えますが、分解する糖質が無くなると筋肉に含まれているBCAAをエネルギーとして使い始めるので筋肉を損傷したり筋力が低下したりします。
運動中に飲むスポーツドリンクにBCAAが含まれたものが多いのはこれを防ぐためです。
牛乳のホエイたんぱく質にはBCAAが多く含まれていて、しかも消化吸収が早いので、即肝臓に運ばれてアルブミンの原料となります。
こうしてややきつめの運動直後に牛乳を飲むとどんどん血液が作られ、血液量が増え、汗もかきやすくなり熱中症の予防につながる訳です。
まとめ
いかがでしたか?
運動と牛乳、意外と簡単に熱中症予防ができるのではないでしょうか?
是非週60分のややきつめの運動とその直後に牛乳を飲むことを習慣にして、熱中症に負けない体を作ってください。